愛書家日誌

- a bibliophilia journal -

ホーンブックの魅力

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ホーンブックとは何か

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#ホーンブックを使って子どもたちに教える風景

ホーンブックは15世紀から19世紀の初めまでイギリスで使われていた初学者のための教則本です。アルファベットやその読み方、数字、主の祈りなどが一枚の紙に印刷され、取手のついた板に貼り付けられていました。傷つかないように鹿の角(ホーン)を薄く切った透明なシートで覆われていました。木以外にも象牙や革、金属など様々な素材があったようです。

16世紀に書かれたシェイクスピアの「恋の骨折り損」にもホーンブックの場面があります。

ホーンブックの詳細

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  • 1:アルファベット
  • 2:発音
  • 3:主の祈り

 2の部分にはaeiouの母音が1のアルファベットと別には記されています。これはホーンブックが文字を「読むこと」を学ぶためのものであったことを示しています。読むことと書くことは長い間別の技術だと考えられていました。キリスト教社会においては聖書を読むために「読むこと」は必要な技術でしたが、「書くこと」はそれを必要とする仕事でない限り、あまり熱心に教えられませんでした。

ホーンブックの終焉とコレクションの始まり

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#バトルドア

18世紀の中頃から後半になるとホーンブックはバトルドアとよばれるツールにその役割をゆずります。バトルドアは安価な板や厚紙に印刷されていました。そして主の祈りのパートはしばしば割愛され、かわりに楽しいイラストが描かれていました。安価で子どもたちが楽しめたことがその勝因でした。

ホーンブックの消滅を危惧したアンドリュー・テュアーは全国にホーンブックを自分に送るように呼びかけ、それらを参考に「ホーンブックの歴史(History of the Horn-book)」という二巻の本を著しました。それをきっかけにホーンブックは注目され、盛んにコレクションされるようになりました。偽物まで登場したそうです。

様々なホーンブック

最後に様々なホーンブックをご紹介します。

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#一般的なホーンブック。イギリス年代不詳

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#象牙製のホーンブック。イギリス18世紀

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#木製のホーンブック。アメリカ18世紀

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#銀のホーンブック。イギリス1550年

↓こんな使われ方もあったみたいです。ではまた。

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